ブラジルの都市計画家ルシオ・コスタとは?
ルシオ・コスタ (Lucio Costa) は、ブラジルの都市計画家であり建築家です。彼は、1956年にブラジル政府によって新たに建設された首都ブラジリアの都市計画を設計したことで知られています。
ルシオ・コスタは、オスカー・ニーマイヤーらとともに、ブラジリアの建設にあたって中心的な役割を果たしました。彼が設計した都市計画は、空間的な均等と機能的な効率性を重視し、大通りと建物が放射状に配された「放射線状計画」と呼ばれるものでした。
ブラジリアはその美しい近代建築や都市計画によって、20世紀の建築史において重要な位置を占める都市の1つとなりました。
ルシオ・コスタの放射線状計画
ルシオ・コスタがブラジルの首都ブラジリアの都市計画を設計する際に採用した都市計画の手法が、”放射状計画”(Plano Piloto)として知られています。
放射状計画とは、中心地から放射状に大通りを伸ばし、その周辺に区画を設けて街区を形成する手法です。ルシオ・コスタは、ブラジリアの中心となる広場を中心に十字路が交差するように大通りを設定し、その周辺には住宅や商業地、公共施設などが配置されるようにしました。
この放射状計画により、ブラジリアの中心部は直線的でシンプルなデザインとなり、車による交通が中心であることから、自動車の流れを考慮した機能的な都市空間が実現されました。また、大通りを伸ばすことによって、市民が公共施設や商業地に容易にアクセスできるようになり、効率的な都市空間が実現されたとされています。
ブラジリアの放射状計画は、現代都市計画の代表的な手法の一つとして、また、ルシオ・コスタの建築・都市計画の遺産の一つとして高く評価されています。
ルシオ・コスタの実績
ルシオ・コスタは、20世紀ブラジルの建築と都市計画の分野で数多くの業績を残しました。主な実績としては以下のようなものがあります。
- ブラジリアの都市計画
ルシオ・コスタは、1956年にブラジルの首都ブラジリアの都市計画を設計しました。彼の設計により、ブラジリアは機能的かつ美しい都市として世界的に知られることになりました。 - ミニステリオ・デ・エデュカシオン(教育省本部庁舎)の設計
ブラジリアにあるこの建物は、オスカー・ニーマイヤーとの共同作業で設計され、ブラジリアの建築の傑作の1つとして知られています。 - ライオンズ・クラブ国際本部ビルの設計
アメリカ合衆国イリノイ州にあるこの建物は、ルシオ・コスタの設計によるもので、1968年に完成しました。 - ロハス・キューバス住宅地の設計
ルシオ・コスタは、ブラジルのリオデジャネイロにあるこの住宅地の設計も手がけました。ロハス・キューバスは、環境に配慮した設計や社会的な側面などが高く評価され、世界的に注目されるようになりました。
以上がルシオ・コスタが残した代表的な実績の一部です。彼の設計やアイデアは、現在でも建築や都市計画の分野で高く評価されています。