「世界で一番治安の悪い国」はどこでしょうか。
あなたが想像している国がランキング上位にあるかもしれません。
しかし、その背後には深刻な原因が存在します。
本記事では、2023年の世界治安ランキングを基にそれぞれの国がなぜ上位に名を連ねているのか、社会経済的な背景や政治的状況などから探ります。
治安の悪い国を把握するだけでなく、治安の概念について新たな視点を発見していただければ幸いです。
- 世界治安ランキングの概念
- 2023年治安の悪い国トップ10
- 治安の悪さの深層的原因
- 治安が悪い国の特性と要因
目次
世界治安ランキングの概要
世界治安ランキングとは?
世界治安ランキングとは、各国の治安状況を数値化し比較したランキングのことを指します。
このランキングは、
- 統計情報
- 報道記事
- 公的な報告など
の情報源から得られたデータに基づいています。
これらの情報を参照することで、国や地域の安全性について客観的な情報を得ることができるだけでなく、旅行先を選ぶ際の参考にもなります。
しかしながら、このランキングは治安の「相対的」な評価を提供するものであり、ランキングに入っていない=そこが絶対的に安全であるとは限りません。
逆もしかりで、治安は多様な要因によって影響を受け、時間や地域によっても変動するため、ランクインした国や地域が必ずしも危険であるわけではないという認識も必要です。
ランキング決定の基準と評価方法
世界治安ランキングは多様な指標をもとに評価されます。主な基準としては以下のようなものがあります。
- 犯罪率: これは、人口あたりの犯罪件数を示すもので、暴力犯罪、窃盗、詐欺などの種類によってさらに分けられます。これらのデータは一般的には警察報告や国際犯罪統計から取得します。
- 政治的安定性: 政府の不安定さや、内戦、テロ行為、デモ活動などの政治的動乱は治安を大きく影響します。これらの状況は国際政治分析から評価されます。
- 社会経済的要素: 経済の安定性や貧困レベル、教育水準なども治安に影響を与えます。このような情報は経済統計、教育統計、国連などの国際組織の報告から引用されます。
- 公的な治安対策: 法執行機関の効果性、司法制度の信頼性、腐敗度なども評価の対象となります。これらは公的な統計データや世界銀行、透明性国際などの組織の評価に基づいています。
これらの各指標が集計され全体の治安スコアを形成します。
その結果、国ごとの順位が決定され、世界治安ランキングが作成されます。
2023年: 治安の悪い国ランキングトップ10
以下に、2023年における治安が最も悪いとされる国のトップ10を紹介します。
評価は先述の通り、
- 犯罪率
- 政治的安定性
- 社会経済的要素
- 公的な治安対策
の4つの基準によって行われています。
1位: ソマリア
項目 | 内容 |
---|---|
公式名称 | ソマリア連邦共和国 |
首都 | モガディシュ |
人口 (2020年推定) | 約1580万人 |
面積 | 約637,657k㎡ |
公用語 | ソマリ語、アラビア語 |
宗教 | イスラム教 (スンナ派) |
通貨 | ソマリア・シリング |
政体 | 連邦共和制 |
GDP (2020年) | 約57億ドル (世界銀行) |
一人当たりのGDP (2020年) | 約353ドル (世界銀行) |
人口増加率 (2020年) | 2.92% (世界銀行) |
平均寿命 (2019年) | 約57年 (世界銀行) |
教育支出 (対GDP, 2017年) | 1.8% (UNESCO) |
軍事支出 (対GDP, 2019年) | 不明 |
治安情勢 | 非常に不安定。内戦、海賊行為、テロ行為などが常習的に発生している |
- 犯罪率: ★☆☆☆☆
- 政治的安定性: ★☆☆☆☆
- 社会経済的要素: ★☆☆☆☆
- 公的な治安対策: ★☆☆☆☆
2023年の世界治安ランキングで最も治安の悪い国は、アフリカの東部に位置するソマリアです。
ソマリアでは政府の機能不全や反政府勢力による内戦、犯罪組織による海賊行為が長期間続いており、それらが治安悪化の主な原因となっています。
さらに、食糧不足や水不足、医療インフラの不足といった深刻な人道危機も発生しており、国民の生活を脅かしています。
2位: アフガニスタン
項目 | 内容 |
---|---|
公式名称 | イスラム共和国アフガニスタン |
首都 | カブール |
人口 (2020年推定) | 約3893万人 |
面積 | 約652,230k㎡ |
公用語 | パシュトー語、ダリ語 |
宗教 | イスラム教 (スンナ派が主流) |
通貨 | アフガニー |
政体 | イスラム共和制 |
GDP (2020年) | 約208億ドル (世界銀行) |
一人当たりのGDP (2020年) | 約581ドル (世界銀行) |
人口増加率 (2020年) | 2.33% (世界銀行) |
平均寿命 (2019年) | 約64.83年 (世界銀行) |
教育支出 (対GDP, 2017年) | 4.0% (UNESCO) |
軍事支出 (対GDP, 2019年) | 1.0% (世界銀行) |
治安情勢 | 非常に不安定。内戦、テロ行為などが常習的に発生している |
- 犯罪率: ★☆☆☆☆
- 政治的安定性: ★☆☆☆☆
- 社会経済的要素: ★★☆☆☆
- 公的な治安対策: ★★☆☆☆
2位にランクインしたのはアフガニスタンです。
アフガニスタンでは、過去数十年にわたる紛争と不安定な政治状況が治安を大きく悪化させています。
特に、過激派組織タリバンの活動によりテロ攻撃や戦闘が頻発し、市民の生活は常に危険にさらされています。
さらに、貧困や失業率の高さ、教育の機会不足といった社会経済的問題も深刻で、治安の回復には時間がかかると予想されています。
3位: 南スーダン
項目 | 内容 |
---|---|
公式名称 | 南スーダン共和国 |
首都 | ジュバ |
人口 (2020年推定) | 約1117万人 |
面積 | 約644,329k㎡ |
公用語 | 英語(他に多数の地方言語が存在) |
宗教 | キリスト教、アニミズム、イスラム教 |
通貨 | 南スーダン・ポンド |
政体 | 共和制 |
GDP (2019年) | 約38億ドル (世界銀行) |
一人当たりのGDP (2019年) | 約370ドル (世界銀行) |
人口増加率 (2020年) | 1.19% (世界銀行) |
平均寿命 (2019年) | 約57.6年 (世界銀行) |
教育支出 (対GDP, 2015年) | 2.6% (UNESCO) |
軍事支出 (対GDP, 2018年) | 13.8% (世界銀行) |
治安情勢 | 非常に不安定。内戦、武装衝突、人道的危機が続いている |
- 犯罪率: ★☆☆☆☆
- 政治的安定性: ★☆☆☆☆
- 社会経済的要素: ★☆☆☆☆
- 公的な治安対策: ★☆☆☆☆
アフリカの南スーダンは、2023年の世界治安ランキングで3位にランクインしました。
南スーダンでは、2011年の独立以来政治的な対立がエスカレートし、全国的な内戦に発展しています。
その結果、人道的な危機が深まり治安は非常に悪い状態となっています。
また、石油産業への依存度が高い一方で、その収益の分配問題が社会的な緊張を引き起こし治安悪化の一因となっています。
4位: ベネズエラ
項目 | 内容 |
---|---|
公式名称 | ベネズエラ・ボリバル共和国 |
首都 | カラカス |
人口 (2020年推定) | 約2864万人 |
面積 | 約916,445k㎡ |
公用語 | スペイン語 |
宗教 | カトリックが主流 |
通貨 | ボリバル・ソベラノ |
政体 | 大統領制 |
GDP (2020年) | 約700億ドル (IMF) |
一人当たりのGDP (2020年) | 約2400ドル (IMF) |
人口増加率 (2020年) | -1.28% (世界銀行) |
平均寿命 (2019年) | 約72.06年 (世界銀行) |
教育支出 (対GDP, 2017年) | 3.3% (世界銀行) |
軍事支出 (対GDP, 2019年) | 0.8% (世界銀行) |
治安情勢 | 非常に不安定。犯罪率が非常に高く、経済的・政治的危機が続いている |
- 犯罪率: ★☆☆☆☆
- 政治的安定性: ★☆☆☆☆
- 社会経済的要素: ★☆☆☆☆
- 公的な治安対策: ★☆☆☆☆
ベネズエラは、経済崩壊と政治的な混乱が相まって治安状況が極めて厳しい状態にあります。
ハイパーインフレーションによる経済の混乱は市民生活を困窮させ、窃盗や強盗といった犯罪を増加させています。
また、食糧や医薬品の不足は健康状態の悪化を引き起こし、更なる社会的不安を生んでいます。
5位: シリア
項目 | 内容 |
---|---|
公式名称 | シリア・アラブ共和国 |
首都 | ダマスカス |
人口 (2020年推定) | 約1750万人 |
面積 | 約185,180k㎡ |
公用語 | アラビア語 |
宗教 | イスラム教 (スンナ派が主流) |
通貨 | シリア・ポンド |
政体 | 半大統領制 |
GDP (2019年) | 約6,025億シリアポンド (国内統計局) |
一人当たりのGDP (2019年) | 約35,000シリアポンド (国内統計局) |
人口増加率 (2020年) | 不明 |
平均寿命 (2019年) | 約72.7年 (世界銀行) |
教育支出 (対GDP, 2011年) | 4.9% (世界銀行) |
軍事支出 (対GDP, 2019年) | 不明 |
治安情勢 | 非常に不安定。内戦、テロ行為などが常習的に発生している |
- 犯罪率: ★☆☆☆☆
- 政治的安定性: ★☆☆☆☆
- 社会経済的要素: ★☆☆☆☆
- 公的な治安対策: ★☆☆☆☆
シリアは、2011年から続く内戦によりその治安状況は極めて悪い状態にあります。
政府軍と反体制派、さらにはテロ組織ISILによる闘争は国内の大多数の地域で続いており、市民の生命と安全が直接脅かされています。
また、基本的なインフラの破壊は生活に必要な水や食糧、医療サービスの提供を困難にしています。
6位: リビア
項目 | 内容 |
---|---|
公式名称 | リビア国 |
首都 | トリポリ |
人口 (2020年推定) | 約687万人 |
面積 | 約1,759,540k㎡ |
公用語 | アラビア語 |
宗教 | イスラム教 (スンナ派) |
通貨 | リビア・ディナール |
政体 | 一時的な遷移政府 |
GDP (2020年) | 約580億ドル (IMF) |
一人当たりのGDP (2020年) | 約8,478ドル (IMF) |
人口増加率 (2020年) | 1.50% (世界銀行) |
平均寿命 (2019年) | 約72.1年 (世界銀行) |
教育支出 (対GDP, 2009年) | 6.2% (世界銀行) |
軍事支出 (対GDP, 2019年) | 不明 |
治安情勢 | 非常に不安定。政府の不在、内戦、テロ行為などが常習的に発生している |
- 犯罪率: ★☆☆☆☆
- 政治的安定性: ★☆☆☆☆
- 社会経済的要素: ★☆☆☆☆
- 公的な治安対策: ★★☆☆☆
カダフィ政権崩壊以後のリビアは、政府の統制力の欠如と武装勢力の台頭により混乱状態が続いています。
特に首都トリポリ周辺では複数の武装勢力が領土と権力を巡って対立し、市民の生活安全を脅かしています。
また、リビアを通じた不法移民の経路となっておりその対策に苦慮しています。
7位: イラク
項目 | 内容 |
---|---|
公式名称 | イラク共和国 |
首都 | バグダッド |
人口 (2020年推定) | 約4022万人 |
面積 | 約438,317k㎡ |
公用語 | アラビア語、クルド語 |
宗教 | イスラム教 (シーア派が多数派、スンナ派も存在) |
通貨 | イラク・ディナール |
政体 | 連邦共和制 |
GDP (2020年) | 約2340億ドル (IMF) |
一人当たりのGDP (2020年) | 約5808ドル (IMF) |
人口増加率 (2020年) | 2.32% (世界銀行) |
平均寿命 (2019年) | 約70.6年 (世界銀行) |
教育支出 (対GDP, 2018年) | 5.7% (世界銀行) |
軍事支出 (対GDP, 2019年) | 3.5% (世界銀行) |
治安情勢 | 非常に不安定。内戦、テロ行為、政治的不安が常習的に発生している |
- 犯罪率: ★☆☆☆☆
- 政治的安定性: ★★☆☆☆
- 社会経済的要素: ★★☆☆☆
- 公的な治安対策: ★★☆☆☆
イラクは、過去の湾岸戦争やイラク戦争、そしてISILによる一時的な占拠といった歴史的な背景から治安状況が厳しい国となっています。
現在も地方部ではテロリストによる攻撃が散発的に発生しており、市民生活への影響が深刻です。
8位: ホンジュラス
項目 | 内容 |
---|---|
公式名称 | ホンジュラス共和国 |
首都 | テグシガルパ |
人口 (2020年推定) | 約990万人 |
面積 | 約112,492k㎡ |
公用語 | スペイン語 |
宗教 | カトリックが主流 |
通貨 | レンピラ |
政体 | 共和制 |
GDP (2020年) | 約250億ドル (世界銀行) |
一人当たりのGDP (2020年) | 約2535ドル (世界銀行) |
人口増加率 (2020年) | 1.59% (世界銀行) |
平均寿命 (2019年) | 約75.9年 (世界銀行) |
教育支出 (対GDP, 2017年) | 6.6% (世界銀行) |
軍事支出 (対GDP, 2019年) | 1.6% (世界銀行) |
治安情勢 | 非常に不安定。犯罪率が非常に高く、特に殺人率が顕著に高い |
- 犯罪率: ★☆☆☆☆
- 政治的安定性: ★★☆☆☆
- 社会経済的要素: ★★☆☆☆
- 公的な治安対策: ★★☆☆☆
ホンジュラスは、中米地域で最も治安状況が悪い国の一つとされています。
特に麻薬組織の影響力が強く、暴力犯罪が非常に高い水準にあります。
貧困や教育の機会不足といった社会問題がこれらの犯罪を増加させています。
9位: メキシコ
項目 | 内容 |
---|---|
公式名称 | メキシコ合衆国 |
首都 | メキシコシティ |
人口 (2020年推定) | 約130億人 |
面積 | 約1,964,375k㎡ |
公用語 | スペイン語 |
宗教 | カトリックが主流 |
通貨 | メキシコペソ |
政体 | 大統領制 |
GDP (2020年) | 約1.04兆ドル (世界銀行) |
一人当たりのGDP (2020年) | 約8,003ドル (世界銀行) |
人口増加率 (2020年) | 1.06% (世界銀行) |
平均寿命 (2019年) | 約75年 (世界銀行) |
教育支出 (対GDP, 2018年) | 5.4% (世界銀行) |
軍事支出 (対GDP, 2019年) | 0.7% (世界銀行) |
治安情勢 | 非常に不安定。特に麻薬組織による犯罪が問題となっている |
- 犯罪率: ★☆☆☆☆
- 政治的安定性: ★★☆☆☆
- 社会経済的要素: ★★★☆☆
- 公的な治安対策: ★★☆☆☆
メキシコは全土に広がる麻薬組織との戦いが絶えず、その結果としての治安の悪化が深刻化しています。
特に一部の州では麻薬組織同士の抗争や政府軍との衝突が激化し、市民がその犠牲となるケースが多発しています。
10位: ドミニカ共和国
項目 | 内容 |
---|---|
公式名称 | ドミニカ共和国 |
首都 | サントドミンゴ |
人口 (2020年推定) | 約10.8万人 |
面積 | 約48,670k㎡ |
公用語 | スペイン語 |
宗教 | カトリックが主流 |
通貨 | ドミニカン・ペソ |
政体 | 大統領制共和制 |
GDP (2020年) | 約884億ドル (世界銀行) |
一人当たりのGDP (2020年) | 約8195ドル (世界銀行) |
人口増加率 (2020年) | 1.01% (世界銀行) |
平均寿命 (2019年) | 約74年 (世界銀行) |
教育支出 (対GDP, 2018年) | 4.1% (世界銀行) |
軍事支出 (対GDP, 2019年) | 0.7% (世界銀行) |
治安情勢 | 不安定。特に治安が悪い地域では犯罪や暴力が問題となっている |
- 犯罪率: ★☆☆☆☆
- 政治的安定性: ★★★☆☆
- 社会経済的要素: ★★★☆☆
- 公的な治安対策: ★★☆☆☆
ドミニカ共和国の治安状況は高い犯罪率により悪化しています。
特に物的犯罪や薬物犯罪が多く、警察に対する信頼性が低いという問題もあります。
また、観光地としても知られていますが、観光客を狙った犯罪もしばしば報告されています。
- 1位 ソマリア
- 2位 アフガニスタン
- 3位 南スーダン
- 4位 ベネズエラ
- 5位 シリア
- 6位 リビア
- 7位 イラク
- 8位 ホンジュラス
- 9位 メキシコ
- 10位 ドミニカ共和国
以上の国々が、2023年における治安の最も悪い国のトップ10となります。
それぞれの国における具体的な治安情報は政治的な状況、経済的な問題、社会的な不平等など、様々な要素が絡み合った結果となっています。
ランキング上位国の特徴: 共通点と相違点
世界の治安が最も悪いとされる国々には共通する特徴がいくつか存在します。
しかし、それぞれの国が持つ特異な状況や背景によりその具体的な様相は大きく異なります。以下では、主に
- 社会経済的背景
- 政治状況
- 犯罪率
という3つの観点から、これらの共通点と相違点を詳しく見ていきましょう。
社会経済的背景
一般的に、経済的に不安定な国や貧富の差が大きい国では治安の悪化が見られることが多いです。
たとえば、ベネズエラではハイパーインフレーションが進行し、多くの市民が貧困状態にあります。
これは治安悪化の大きな原因となっており、窃盗や強盗などの犯罪が増加しています。
一方で、南スーダンのような国では長年にわたる内戦により基本的なインフラが破壊され、食糧不足や医療の不足が深刻化しています。
これらの国々では経済的な困難が治安悪化を引き起こしていると言えます。
政治状況と治安
治安の悪化は政治的な不安定さとも深く関連しています。
アフガニスタンやシリアでは、内戦やテロリズムにより政府の統制力が及ばず、市民の安全が確保できていません。
特に、アフガニスタンでは最近のタリバンによる政権奪取が治安を更に悪化させています。
これに対して、リビアではカダフィ政権の崩壊後も政情が安定せず、複数の勢力が権力を巡って対立を続けています。
このような国々では政治的な混乱が治安問題を引き起こす原因となっています。
犯罪率と治安
治安の悪さと犯罪率は密接に関連しています。
一般的に治安が悪い地域では犯罪率が高くなります。例えば、ホンジュラスやメキシコでは麻薬組織の抗争が激しく、これが高い殺人率や暴力犯罪率につながっています。
特にホンジュラスでは武装したギャング団の活動が問題となっており、一部地域では法の支配が失われています。
一方、ドミニカ共和国では観光客を狙った窃盗や詐欺が多く報告されています。
これらの国々では各種の犯罪が日常的に発生しており、その結果として治安が大きく悪化しています。
以上のように、治安の悪さは多様な要素が複雑に絡み合った結果となっています。
各国の治安情報を把握するためには、その背景にある社会経済的な状況や政治的な問題を理解することが重要です。
なぜ治安の悪い国が存在するのか – 深層的な原因を探る
世界のある地域でなぜ治安が悪いのか、その深層的な原因を理解するためには
- 歴史的背景
- 社会経済的要因
- 政治的不安定性
という観点から考察する必要があります。
これらの要素は複雑に絡み合っており、一つの問題が他の問題を引き起こす、あるいは既存の問題を深刻化させる可能性があります。
歴史的背景と治安の関連性
植民地時代の影響
多くの国々、特にアフリカや中南米の国々では過去の植民地時代の影響が今日まで持続しています。
植民地支配は人々を分断したり、経済的な開発を歪めたりしました。
これは現代において民族間の紛争、政治的な不安定性、経済的な困難といった形で顕現しています。
歴史的な紛争と治安
歴史的な紛争や戦争は社会の構造を破壊し、多くの問題を引き起こします。
たとえば、南スーダンやシリアでは長期にわたる内戦がインフラを破壊し、社会を不安定にしています。
これにより治安が悪化し、犯罪が増加することに繋がっています。
社会経済的要因と治安
経済的困難と犯罪率
経済的な困難は人々の生活を圧迫し、窃盗や強盗などの犯罪を引き起こします。
例えば、ベネズエラでは深刻な経済危機が社会全体の犯罪率を上昇させています。
また、雇用の不安定さや貧富の差も治安悪化の一因となります。
教育の不平等と治安
教育の機会が均等にない場合、一部の人々が社会的な不利益を被りそれが犯罪に繋がる可能性があります。
教育は就労機会を増やし経済的な困難を避ける一助となりますが、これが不十分な国では治安問題が生じやすいです。
政治的不安定性と治安
内戦と政治的混乱
政治的な不安定性、特に内戦や政権交代の混乱は治安を著しく悪化させます。
政府の統制力が及ばない地域では、法の支配が崩れ、犯罪や暴力が増加します。
アフガニスタンのように最近の政変が治安を更に悪化させる事例もあります。
政府の役割と課題
政府は治安の維持と公共の秩序を保つ役割を持ちます。
しかし、リビアのように政情が安定せず、政府の機能が十分に働かない国では治安維持が難しくなります。
また、汚職や不正行為が横行している場合、市民の信頼を失い治安の悪化を助長します。
以上のように、治安の悪化は多角的な視点から理解することが重要です。
社会経済的な側面、政治的な側面、そしてそれらが歴史的な背景とどのように結びついているのかを把握することで、治安問題への理解をより一層深めることができます。
治安の悪い国についての総括
世界の治安ランキングは、各国の犯罪率や安全性、社会経済的な状況などを元に評価され、その結果が順位付けられます。
2023年のランキングではソマリアが最も治安の悪い国と評価され、その後にアフガニスタン、南スーダン、ベネズエラと続きます。
治安の悪い国は、しばしば社会経済的な困難や政治的な不安定性に直面しています。
これらの問題は犯罪率の増加や治安の低下に直結し、国や地域の状況を複雑にしています。
治安が悪いと評価される国々は、これらの困難を乗り越えるための支援や解決策を模索しています。
それぞれの国が直面する問題や課題は異なるため、その解決策も多様であり、状況の改善には時間と努力が必要となります。