メキシコ

メキシコとはどんな国?歴史や代表的な料理、世界遺産などをご紹介!

メキシコとはどんな国?

メキシコとはどんな国?

メキシコは北アメリカに位置する国で、公式名称は「メキシコ合衆国」です。アメリカ合衆国、グアテマラ、ベリーズに隣接しており、太平洋とカリブ海に面しています。

メキシコは紀元前1500年頃にオルメカ文明が栄えたことが知られており、その後マヤ文明やアステカ帝国など多くの先史時代文明が栄えました。16世紀にはスペインの征服を受けて植民地化されましたが、1810年にメキシコ独立戦争が起こり、1821年には独立を果たしました。

現在のメキシコは地理的に多様で、多くの民族が暮らす多民族国家です。豊富な天然資源や観光資源を持ち自由市場経済を採用しています。また、メキシコは世界有数の自動車生産国や、アジアとアメリカ大陸を結ぶ重要な交通の要所でもあります。

メキシコの人口

2021年現在のメキシコの人口は約1億2937万人です。メキシコはラテンアメリカ最大の人口を持ち、世界でも人口が多い国の一つです。

メキシコの人口は先住民とスペイン人の混血である「メスティーソ」が約6割を占め、その他にも先住民、白人、黒人、アジア系など多様な人種・民族が存在します。また、メキシコは移民の受け入れ国でもあり、中南米諸国やアメリカ合衆国、欧州などからの移民が多く住んでいます。

現在メキシコの人口増加率は低下傾向にあり、出生率も減少しています。一方で高齢化率が上昇しており、将来的には人口構成の変化が進むことが予測されています。

メキシコの首都

メキシコの首都は「メキシコシティ」(Ciudad de México)です。メキシコシティは中南米最大の都市であり、メキシコの政治、経済、文化の中心地として重要な役割を担っています。

また、メキシコシティはアステカ帝国の首都テノチティトランがあった場所に建設された都市で、多くの歴史的な建造物や遺跡が残されています。メキシコシティは、人口約2200万人を抱える世界有数の大都市であり、一方で交通渋滞や大気汚染などの問題も抱えています。

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メキシコの主要都市

メキシコは中南米最大の国のひとつであり多くの主要都市があります。代表的な都市をいくつか挙げると、

  • グアダハラ
    メキシコ第2の都市であり、人口は約150万人。テキーラの産地としても有名。
  • モンテレイ
    北部の都市であり、メキシコ第3の都市で人口は約470万人。工業都市としても知られる。
  • プエブラ
    メキシコ中部の都市で、人口は約150万人。スペイン植民地時代の建造物が残る美しい街としても知られる。
  • カンクン
    メキシコ東部のリゾート都市で、カリブ海に面した美しいビーチが有名。
  • サン・ルイス・ポトシ
    メキシコ北部の都市で、銀鉱山の街として栄えた歴史ある街として知られる。

他にも、エカテペック、ティフアナ、レオン、トルーカ、オアハカ、メリダなど、多くの魅力的な都市があります。

メキシコの公用語

メキシコの公用語はスペイン語です。スペイン語はメキシコで最も広く話され、公文書やビジネス、教育、メディアなどの様々な分野で使用されています。

また、メキシコには公式に認められた68の先住民族が存在し、これらの先住民族の多くはそれぞれ独自の言語を持っています。メキシコ政府は先住民族の言語の保護と普及を進めており、先住民族の言語はスペイン語と並んで公用語として認められています。

なお、英語も一部の都市や観光地では広く話されていますが、公用語としては認められていません。

メキシコの宗教

メキシコはキリスト教が主要な宗教であり、カトリック教会が最も多くの信者を有する宗派です。メキシコは16世紀にスペインの植民地となったことから、スペインによって伝えられたカトリック教会が広く普及し、現在でも多くのメキシコ人がカトリック教徒であるとされています。

また、プロテスタントやバプテスト、メソジスト、ルーテルなどのキリスト教系宗派も存在し、近年ではペンテコステ派やエバンジェリカル教会の信者も増えています。

一方、先住民族の伝統的な信仰も残っており、アステカ文明やマヤ文明の神々を崇拝する先住民族の宗教的な習慣や祭りは現代のメキシコにおいても一部で保持されています。

また、無宗教の人々も増えており、宗教的な信念を持たない人々も一定数存在しています。

メキシコの歴史

メキシコの歴史は古く、先史時代から文明が栄えたことが知られています。以下に、メキシコの歴史の主要な時代を紹介します。

先史時代

メキシコは先史時代にオルメカ文明やマヤ文明、テオティワカン文明、トルテカ文明、アステカ帝国など多くの文明が栄えました。これらの文明は農業、建築、天文学、医学、芸術など多岐にわたる発展を遂げました。

スペインの征服

16世紀初頭スペインがメキシコに到来し、アステカ帝国を征服し新スペイン副王領を建国しました。この時期には、キリスト教の布教や鉱山開発が進み、現在のメキシコの基盤が形成されました。

独立戦争

1810年、ミゲル・イダルゴ神父を中心にメキシコ独立戦争が勃発しました。1821年、スペインからの独立を果たしメキシコ合衆国が誕生しました。

改革期

19世紀後半から20世紀初頭にかけてメキシコは政治的・社会的な変革を遂げました。1910年にはメキシコ革命が勃発し、アルベルト・カルデロンやエミリアーノ・サパタなどが活躍しました。この時期には土地改革や教育改革、社会保障制度の整備などが進みました。

近現代

20世紀にはメキシコは産業化が進み、経済成長を遂げました。しかし、政治的不安定や貧困問題、麻薬カルテルの台頭などの問題も抱えています。現在はメキシコ市において、古代の都市であるテオティワカン遺跡を中心とする歴史的な遺産や、リゾート地として人気のあるカンクン、プエルト・バヤルタなどの美しいビーチがあるなど、観光業も盛んになっています。

メキシコの主な産業

メキシコの主な産業

メキシコは、多様な産業を持ち、自由市場経済を採用しています。以下に、メキシコの主要な産業を紹介します。

  1. 自動車産業
  2. 電子機器産業
  3. 鉱業
  4. 農業
  5. 観光

自動車産業

メキシコは世界有数の自動車生産国の一つであり、多くの自動車メーカーが進出しています。特に日本の自動車メーカーが多く、トヨタ、ホンダ、日産などがメキシコに工場を持っています。

電子機器産業

メキシコは電子機器の生産・輸出にも力を入れています。多くの外資系電子機器メーカーが進出し、スマートフォン、テレビ、PCなどの製品が生産されています。

鉱業

メキシコは世界有数の銀の生産国であり、金、銅、鉛、亜鉛、鉄鉱石などの鉱物資源も豊富です。鉱業はメキシコの重要な産業の一つです。

農業

メキシコは農業が盛んな国でもあります。トウモロコシ、小麦、大豆、綿花、コーヒーなどの穀物や作物を生産しています。また、アボカドやトマト、パイナップル、マンゴーなどの果物の輸出も盛んです。

観光

メキシコは多くの観光資源を持つ国であり、ビーチリゾートや考古遺跡、文化的な観光地などがあります。観光業はメキシコの重要な産業の一つであり、外貨獲得にも貢献しています。

メキシコの治安、安全性

メキシコの治安、安全性

メキシコの治安は地域によって異なりますが、犯罪や暴力行為が一定程度存在しています。特に麻薬密売組織の関与による暴力行為が問題となっており、一部の地域では麻薬カルテルやギャング団の暴力事件が発生することがあります。また、観光客を狙った犯罪も報告されています。

メキシコ政府は治安対策に力を入れており、一部地域では治安状況が改善されていますが、未だに問題が残っています。外国人旅行者は観光地や市街地など人通りの多い場所を選び、治安情報にも注意することが重要です。また、旅行前には自国の外務省の渡航情報や、現地の治安情報を確認することをおすすめします。

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メキシコの麻薬カルテル

メキシコは麻薬カルテルの活動が横行する国の一つとして知られています。麻薬密売組織は、主にコカイン、マリファナ、アヘン、メタンフェタミンなどの麻薬の輸出入を行っており膨大な利益を上げています。

メキシコの麻薬カルテルは複数のグループに分かれており、シナロア・カルテル、ハリスコ・カルテル、ソンラ・カルテルなどが代表的な組織です。これらの組織は武力行使や暴力行為、拉致、恐喝、汚職などを行い一般市民にも被害をもたらしています。

メキシコ政府は麻薬カルテルとの戦いに力を入れており、麻薬取引の摘発やカルテルの壊滅に向けて軍や警察を動員しています。しかし、麻薬カルテルは非常に強力であり取り締まりには困難が伴うため、未だに問題が続いています。

メキシコの貧困問題

メキシコは中南米で最も人口の多い国の一つであり、経済的には発展途上国に分類されます。そのため、貧困問題が深刻な社会問題となっています。

国立統計・地理情報局によると、2020年時点でメキシコ国内の約43.9%の人々が貧困層に属しているとされています。また、そのうちの18.6%が極度の貧困状態にあり、基本的な生活必需品の確保が難しい状況にあるとされています。

メキシコ政府は貧困問題に取り組むため社会保障制度の整備や教育、医療などの社会インフラの整備を進めています。また、現地のNGOや国際機関と協力して貧困層の支援に取り組んでいます。

しかし、地域によって貧困の状況が異なり、特に農村地帯や先住民族居住地域などでは依然として貧困が深刻な問題となっています。

メキシコと日本の関係

メキシコと日本の外交関係は両国が外交関係を樹立した1888年以来、長い歴史を持っています。

経済面では両国間の貿易額は年々増加しており、2019年には日本からの輸入額が約1,164億円、メキシコへの輸出額が約2,367億円となっています。特に、メキシコから日本への自動車や自動車部品の輸出が盛んであり、その他にも天然ガスや海産物、アボカドなどの輸出品目があります。また、日本からは自動車や電気機器、精密機器、自転車などの輸入が行われています。

両国は文化や学術分野でも交流があり、メキシコでは日本の文化祭や映画祭が開催されたり日本語教育も行われています。一方、日本ではメキシコの伝統的な音楽や料理などが紹介されるイベントも開催されています。

政治面でも両国は友好的な関係を維持しており、メキシコは日本とともに国連安全保障理事会の非常任理事国として、任期2021~2022年に参加しています。また、両国は気候変動対策やサイバーセキュリティなどの国際課題についても協力しています。

メキシコの食文化や代表的な料理

メキシコの食文化は、独特で豊かな味わいの料理が多く、多様な食材や調味料が使用されています。以下に代表的なメキシコ料理をいくつか紹介します。

トルティーヤ:メキシコ料理に欠かせない

メキシコ料理 トルティーヤ

トルティーヤはメキシコ料理に欠かせない薄い円形の平たいパンです。主原料はとうもろこしの粉で、水と混ぜ合わせてこねて作ります。小麦粉を使ったものもありますが、一般的にはとうもろこしの粉を使用したものが一般的です。

トルティーヤはそのまま食べたり、タコスの皮やエンチラーダの皮として使用されることが多く、メキシコ料理の中でも重要な役割を担っています。そのまま食べる場合は、トルティーヤをフライパンで焼いてから食べることが多いです。また、トルティーヤに具材を挟んで巻いた「バリート」や、肉や野菜を入れたスープ「ポズオーレ」の具材としても使用されます。

メキシコではトルティーヤは家庭で手作りされることが一般的で、また各地域で独自のトルティーヤが作られています。トルティーヤの種類や調理法は地域によって異なるため、旅行者にとってもメキシコの食文化を体験する上で重要な要素となっています。

タコス:メキシコの国民食

メキシコ料理 タコス

タコスはメキシコ料理の一つで、トルティーヤに肉や野菜、チーズなどを挟んで食べる料理です。タコスはメキシコの国民食とも言われ、様々な種類があります。代表的なものには、牛肉や鶏肉、豚肉を使用した肉タコスや、豆やチーズ、野菜を使用したベジタリアンタコス、また海鮮を使用したシーフードタコスなどがあります。また、サルサやグアカモーレといったディップソースをつけて食べることも一般的です。

メキシコだけでなく、世界各地で人気のある料理であり、日本でも多くのレストランで提供されています。

ブリトー:定番メキシコ料理

メキシコ料理 ブリトー

ブリトーはメキシコ発祥の食べ物で、トルティーヤに肉や豆、チーズ、野菜などの具を巻き込んで作る料理です。トルティーヤは大型のものを使用し、具を巻き込んでから軽く焼き、外側がパリッとした食感に仕上げます。

ブリトーの起源はメキシコ北部のテヒュアナ地方にあると言われており、19世紀にアメリカ合衆国との国境地帯においてメキシコ系移民によって広められました。現在では世界中で食べられており、特にアメリカ合衆国では人気のあるファストフードの一つとして知られています。

ブリトーに使用される具材は様々で、肉(チキン、ビーフ、ポークなど)や豆、野菜、ライス、チーズ、サルサ、グアカモーレなどを組み合わせることが一般的です。具材に加えて、酸味のあるサワークリームや辛味のあるハラペーニョ、タバスコソースなどをトッピングすることもあります。

ブリトーは具を巻き込んで食べるため、手軽に持ち運びができることが特徴的です。また、具材の組み合わせや調理法によって様々なバリエーションがあり、飽きることのないメキシコ料理の一つとして愛されています。

チラキレス:メキシコの朝食で人気

メキシコ料理 チラキレス

チラキレス (Chilaquiles) はトルティーヤチップスをトマトソースやチリペッパーなどで和えた、メキシコの朝食や軽食の一つです。トルティーヤチップスは古くなったトルティーヤを切り、揚げたものが使われることが一般的です。

チラキレスはトルティーヤチップスにソースをかけ、チーズやクリームを添えて食べることが一般的です。ソースにはトマトソースやトマトの缶詰、ドライチリ、コリアンダー、玉ねぎ、ニンニクなどの野菜を煮込んだものが使われます。その他にも、鶏肉や牛肉、卵などを加えたり、アボカドやライム、コーンなどを添えて食べることもあります。

チラキレスはメキシコの家庭料理として親しまれており、地域によっては朝食に食べることが多いです。また、朝食用には卵料理が添えられることもあり、ランチやディナーにはチキンやビーフ、アボカド、サルサ、ライスなどを添えたものが提供されることもあります。

ワカモーレ:メキシコのアボカド料理

メキシコ料理 ワカモーレ

ワカモーレ (guacamole) はメキシコのアボカド料理で、アボカドとトマト、タマネギ、コリアンダー、ライムなどを混ぜたディップソースです。アボカドのクリーミーな食感と、トマトやタマネギ、コリアンダーなどの野菜の爽やかな味わいが特徴的で、メキシコ料理の代表的なディップソースの一つとして知られています。

ワカモーレはアボカドを熟成させたものを潰し、塩やライム汁で味を調えた後、細かく刻んだトマトやタマネギ、コリアンダーなどを加えて全体を混ぜ合わせて作ります。ワカモーレはトルティーヤチップスにつけて食べたり、タコスやブリトーなどの具材として使われたりサラダにかけて食べたりすることが一般的です。

ワカモーレはアボカドが豊富に栽培されているメキシコの料理文化の一部であり、世界中で愛されているメキシコ料理の一つです。

 

これらの料理はメキシコの様々な地域で独自のアレンジがされ、多様なバリエーションがあります。また、メキシコの食文化にはトウモロコシ、トマト、チョコレート、バニラなどの食材が多く使われ、それらがヨーロッパやアフリカ、アジアの食文化と交わりながら独自の文化的特色を持つ多彩な料理が生まれています。

メキシコの世界遺産

メキシコにはUNESCOの世界遺産リストに登録されている文化遺産や自然遺産が多数存在しています。以下に代表的なものをいくつか挙げてみます。

  1. 古代都市パレンケ
  2. 古代都市テオティワカン
  3. 古代都市チチェン・イッツァ
  4. エル・ビスカイノ生物圏保護区
  5. ショチカルコの古代遺跡地帯

世界遺産①古代都市パレンケ

メキシコ世界遺産①古代都市パレンケ

古代都市パレンケはメキシコのチアパス州にあるマヤ文明の遺跡です。パレンケは、紀元前431年から800年頃にかけて栄えた都市で、周囲をジャングルに囲まれた美しい場所に位置しています。

パレンケには、テンプル1、テンプル2、テンプル13など多くの建造物がありますが、特に有名なのは、美しいレリーフが施された「パカル王の墓」があるピラミッド「テンプル・オブ・インスクリプション」です。パカル王は、パレンケの最盛期を築いた王の1人であり、その墓は1949年に発見され多くの貴重な遺物が見つかったことで有名になりました。

パレンケには祭壇、宮殿、石碑、水路、温泉など多くの遺構が残されており、それらは古代マヤ文明の建築技術と芸術性を示しています。また、遺跡周辺には多くの熱帯雨林があり、多様な動植物が生息しており、自然と文化の融合した美しい風景を楽しむことができます。

世界遺産②テオティワカン

メキシコ世界遺産②テオティワカン

テオティワカンはメキシコシティの北東約50kmに位置する古代都市で、メキシコの世界遺産のひとつです。紀元前1世紀から7世紀にかけて栄え、最盛期には約10万人が暮らしていたとされています。この遺跡は現在でも多くの観光客や研究者によって訪れられ、世界中の人々に愛されています。

テオティワカンはピラミッドや広場、神殿、宮殿など多くの壮大な建造物が残されており、その美しさと規模の大きさから古代世界でも有数の都市として知られています。最も有名な建造物のひとつは太陽のピラミッドで、高さは約65メートルあります。また、月のピラミッド、羽毛の蛇のピラミッドなど多くのピラミッドがあります。

テオティワカンはメキシコ文化において重要な役割を果たしており、中央広場にある聖なる道は古代メキシコの宇宙観に基づいて建設され、神聖な場所とされています。また、テオティワカンには多くの美術品や遺物が残されており、これらは現在でも多くの研究者によって研究されています。

世界遺産③古代都市チチェン・イッツァ

世界遺産③古代都市チチェン・イッツァ

チチェン・イッツァはメキシコのユカタン半島にあるマヤ文明時代の遺跡です。古代マヤ文明が最盛期を迎えた時代に建設された都市で、現在でもその遺跡は見事なまでに残っています。

チチェン・イッツァはその建物や彫刻に見られる美しさから、メキシコの中でも最も美しい遺跡のひとつとされています。代表的な建物にはエル・カスティージョと呼ばれる巨大なピラミッドや球戯場、天文台、マヤの神殿などがあります。また、チチェン・イッツァにはマヤ文明の神話や天文学に関する多くの情報が刻まれた壁画や人面の彫刻などがあり、それらはマヤ文明の神秘的な世界観を伝えています。

チチェン・イッツァは1988年に世界遺産に登録され、その美しい建物や文化的背景から多くの観光客に人気があります。また、毎年春分の日には天文学的なイベント「春分の日の光」が開催され、エル・カスティージョの壁面に映し出される蛇の影が見られるため多くの人が訪れます。

世界遺産④エル・ビスカイノ生物圏保護区

エル・ビスカイノ生物圏保護区は、メキシコ北部にある砂漠地帯に広がる自然保護区です。メキシコ国内最大の保護区のひとつで、その地形や気候によって多様な植物や動物が生息しています。

エル・ビスカイノ生物圏保護区はその特異な地形によって様々な生態系が存在しています。砂漠の中に、湖や河川、岩石地帯などが点在し、それぞれに異なる生態系が発達しています。また、植物についても砂漠地帯に生息する植物から湿地帯に生息する植物まで、多彩な種類が存在しています。

保護区内には希少種のジャガーをはじめとする多様な動物も生息しており、多くの野生生物の保護に役立っています。また、エル・ビスカイノ生物圏保護区は多くの遺跡も含んでおり、先史時代からの人類の生活の痕跡を伝えています。

エル・ビスカイノ生物圏保護区は1986年に世界遺産に登録され、その自然美や生態系の多様性が高く評価されています。

世界遺産⑤ショチカルコの古代遺跡地帯

ショチカルコはメキシコシティの南東に位置する先コロンブス期のアステカ文明の遺跡です。テオティワカン、チチェン・イッツァとともに、メキシコの3大古代文明のひとつとされています。遺跡は石造りの建物、広場、祭壇、墓地、運河、農地などから構成されており、広大な範囲を持っています。

ショチカルコはアステカ帝国が成立する以前の時代に築かれた遺跡で、前500年頃から紀元前1521年頃までの時代にかけて複数の文化が交流し、発展していったことが知られています。遺跡内にはパイプオルガンのような形状を持つ建物や星座を表す壁画など、独特の建築物や芸術品が残されています。

また、ショチカルコは多くの人々が犠牲となったとされる人身御供の祭壇でも知られており、その残酷な歴史が現代に伝えられています。

ショチカルコは1987年にUNESCOの世界遺産に登録されており、古代文明や芸術、建築、宗教など、多様な面において人類の文化遺産を代表する遺跡のひとつとされています。

 

他にも、サンフランシスコ山地の岩絵やクエルナバカの歴史地区、古代遺跡ウシュマル、プエブラの歴史地区など、メキシコには美しい歴史的建造物や景観が多数存在しています。

メキシコの死者祭りとは

メキシコの死者祭りとは

死者祭り(Día de los Muertos)とは、メキシコなど中南米諸国で11月1日と2日に行われる伝統的な祭りで、先祖や故人たちを迎えるものです。この祭りはアステカ文明に始まり、スペイン植民地時代にキリスト教の祭りと結びついたとされています。

死者祭りでは故人たちの霊を迎え、彼らのために料理や花、おもちゃ、写真などを用意します。祭りの期間中、墓地や家に飾り付けをし、鮮やかな色彩の花やキャンドル、パン、おもちゃなどを置きます。祭りの期間中、人々は死者の霊が迷わないように道を明るく照らし、死者たちが好む食べ物や飲み物を用意します。

また、死者祭りではカラフルな仮面をかぶった人々が踊るパレードが行われることもあります。この仮面は死者の霊になりきるためのもので、祭りの雰囲気を盛り上げます。

死者祭りはメキシコの伝統的な祭りのひとつであり、死者を恐れるのではなく、敬い、迎える文化が根付いています。現在ではメキシコ以外でも世界各地で人気のある祭りとなっています。

メキシコは地震大国

メキシコは地震の多い地域のひとつであり、過去には多くの大地震が発生してきました。最近では、2017年に中部メキシコを襲った地震が特に有名です。

2017年9月19日に発生した地震はマグニチュード7.1で、首都メキシコシティを中心に多くの建物が倒壊し、約360人以上が死亡、数千人が負傷しました。この地震はメキシコシティの地震対策が進んでいるとされる地域でも、多くの建物が倒壊するなど被害が大きかったため、改めて地震対策の重要性が訴えられました。

メキシコは地震が頻発する地域であるため、政府は地震対策に力を入れており、住民に対して地震に備えるための訓練や情報提供を行っています。また、メキシコシティでは地震に強い建物の建設や古い建物の耐震化が進められています。しかし、地震の被害を完全に防ぐことはできないため常に注意が必要です。

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