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メキシコシティとは
メキシコシティは中南米に位置するメキシコ共和国の首都であり、人口約2,000万人以上を抱える世界有数のメガシティです。かつてはアステカ帝国の首都であったテノチティトランが存在した場所に建設され、現在では政治、文化、経済の中心地として重要な役割を担っています。
メキシコシティはアステカ遺跡のテオティワカンやチチェン・イッツァ、美術館や歴史的建造物など多彩な観光スポットが点在しており観光客にも人気があります。また、メキシコ料理の代表的な料理や音楽、ダンスなど文化的な魅力も豊かです。ただし、交通渋滞や治安の懸念などもあるため注意が必要です。
メキシコシティの天気、気温
メキシコシティは高原地帯に位置しているため、気候は比較的涼しく穏やかな天候が特徴です。ただし、標高が高いため夜間の気温は下がり、昼間の気温は上がります。
一年を通じて平均気温は約15度から20度程度で、昼間の最高気温は20度から25度程度です。夏の雨季には時折強い雷雨が降ることがありますが、それ以外の時期は比較的乾燥しています。
特に寒い冬もなく四季をあまり感じないため、観光シーズンとしては年間を通じて訪れることができます。ただし、観光シーズンによって気温や降水量が異なるため、旅行前に天気予報を確認することがおすすめです。
メキシコシティの標高
メキシコシティは標高2,240メートル(7,350フィート)に位置する高地にあります。メキシコシティは標高の高い場所にある都市の1つで、周囲には山々があり、テポステコ山(標高2,267メートル)やイツトキワトル山(標高3,930メートル)などがあります。
標高が高いため気温が低く乾燥した環境であり、初めて訪れた人は高山病の症状を感じることがあるので、慣れるまではゆっくりと動くことが重要です。また、高山病を防ぐためには、十分な水分補給や適切な休息を取ることが大切です。
メキシコシティの治安、安全性
メキシコシティは一部の地域を除いて治安が良くありません。特に夜間や人通りの少ない場所、貧困地域、旅行者が多い観光スポット周辺などは犯罪の発生リスクが高いとされています。
観光客が被害に遭う可能性が高い犯罪にはスリや置き引き、タクシー詐欺、誘拐、銃撃事件などがあります。また、麻薬カルテルやギャングによる暴力事件も発生しています。
このようなリスクを減らすためには、公共交通機関を利用する際には注意深く、タクシーに乗る場合には正規のタクシーを利用することが重要です。また、貴重品を目立たない場所にしまうなど盗難被害を防ぐ対策を取ることも重要です。夜間の外出は避け、人通りの多い場所を歩くように心がけると良いでしょう。
最新の情報を得るためには、現地の治安情報や観光情報を提供している日本国外務省のホームページなどを参考にすることが重要です。
メキシコシティのスラム事情
メキシコシティに貧困層や移民の多くが居住するスラムが存在しています。これらの地域は、一般的に貧しい住宅条件や基本的なサービスの欠如など社会的な問題を抱えています。
例えば人口密度が非常に高く、家屋が非常に小さく、衛生設備が不十分といった場合があり、犯罪が発生しやすい場所であることも知られています。
メキシコシティ政府はスラムの改善に向けた取り組みを行っており、貧困層への支援や社会的インフラの整備などの施策が実施されています。ただし、未だに多くの人々が貧困に苦しんでおり、スラム地域の問題を根本的に解決するための取り組みが求められています。
メキシコシティの観光地
メキシコシティには歴史的な建造物や美術館、アート作品や文化遺産など多彩な観光スポットがあります。以下に代表的なスポットをいくつか挙げてみます。
- ナショナル・アンソン美術館
メキシコ最大級の美術館であり、メキシコの美術作品を中心にヨーロッパ、アジア、アメリカなど様々な国の作品を展示しています。 - テオティワカン
メキシコシティ郊外にあるアステカ文明の遺跡で、ピラミッドや広場、神殿などが残されています。 - プラサ・デ・ラ・コンスティトゥシオン
メキシコシティの中心広場であり、市庁舎やカテドラル、国立宮殿などがあります。 - フリーダ・カーロ美術館
メキシコを代表する女性画家であるフリーダ・カーロの作品を中心に展示している美術館です。 - シアトル・デ・メヒコ
蚤の市として知られる屋外のマーケットで、メキシコの伝統工芸品や食品、衣類などが売られています。
また、メキシコ料理の代表的な料理を楽しむこともできます。タコス、チラキレス、グアカモレ、チュロス、テキーラなどは、メキシコシティを訪れた際には必ず味わいたい料理やドリンクの一部です。
ただし観光をする際には、先に述べた治安上の注意点にも留意する必要があります。
メキシコシティの国際空港
メキシコシティには、ベニート・フアレス国際空港(Aeropuerto Internacional Benito Juárez)があります。この空港はメキシコの最大の空港であり、世界でも重要な空港の1つです。
主要な航空会社の多くがメキシコシティに乗り入れており、国内線や国際線の便が運行されています。日本からは成田空港や羽田空港からメキシコシティへ直行便が運航されています。
また、空港から市内中心部までタクシー、地下鉄、バスなどの公共交通機関を利用することができます。
メキシコシティで人気のホテル
メキシコシティには観光客向けの様々な種類のホテルがあります。以下にいくつか人気のホテルを挙げてみます。
- シェラトン・メキシコシティ・マリア・イサベル・ホテル
中心部に位置し、広い客室やレストラン、プール、フィットネスセンターなどの施設を備えています。 - ザ・スティーレット
デザイナーのフリーダ・ジャンギャンが手がけたスタイリッシュなホテルで、観光スポットやレストランに近いロケーションが魅力です。 - ホテル・エンパリショ
歴史的な建物を改装して作られた高級感あふれるホテルで、中心部に位置し、豪華な客室やレストラン、スパなどを提供しています。 - フィエスタ・アメリカーナ・グランド・チャプルテペック
チャプルテペック公園に面している、広大な敷地を誇る高級リゾートホテルです。プール、スパ、テニスコートなどの施設がありリゾート気分を味わえます。 - キンプトン・アルトホテル・アルマス
17世紀の建物を改装して作られた個性的で魅力的なホテルです。広い客室やレストラン、屋上のバーなどを備えています。
また、民泊アプリや予約サイトを利用することで、より手頃な価格帯の宿泊施設も選択できます。
メキシコシティにおける大気汚染問題
メキシコシティは標高が高いため大気の薄い地域に位置しており、加えて交通量が多く産業も発展しているため、大気汚染が深刻な問題となっています。大気中には、二酸化硫黄や窒素酸化物、粒子状物質などが含まれており、これらが健康に悪影響を与えることがあります。
特に冬季には気温が低下し大気の循環が悪くなるため、大気汚染が最も深刻になります。この時期には霧のような煙霧が発生し、空気が濁ってしまいます。そのため、呼吸器系の病気やアレルギーを持っている人は特に注意が必要です。
政府は大気汚染対策として、
- 公共交通機関の整備
- 自動車規制の強化
- 産業排出ガスの削減
など、様々な取り組みを行っています。観光などで訪れる場合は、マスクの着用や長時間の屋外での活動を避けるなど、健康被害を最小限に抑えるための心がけが必要となります。
メキシコシティの世界遺産
メキシコシティには多くの歴史的な建築物や遺跡があり、その中には世界遺産に登録されたものもあります。
代表的な世界遺産としては、以下のものがあります。
- メキシコシティ歴史地区
- 古代都市テオティワカン
メキシコシティ歴史地区
メキシコシティ歴史地区はメキシコシティの中心部に位置し、アステカの都市テノチティトランの遺跡やスペイン植民地時代の建築物、広場などが保存された地区です。1987年に世界遺産に登録されました。
歴史地区には、アステカ文明時代の遺跡であるテオティワカン遺跡や、大聖堂、国立宮殿、スペイン植民地時代の邸宅など様々な建築物が点在しています。また、メキシコの独立を宣言した場所であるドロレス広場もこの地区にあります。
歴史地区は中心部にある広大な広場「ズカロ」を中心に広がっており、その周囲には多くの博物館や美術館、レストラン、カフェなどがあります。観光客にとっても人気のスポットであり多くの観光客が訪れています。
一方で、歴史地区は歴史的な建築物が密集しているため地震の影響を受けやすく、また大気汚染などの問題も抱えています。そのため、政府はこれらの問題に対処するため様々な取り組みを行っています。
古代都市テオティワカン
テオティワカンはメキシコ中部のメキシコシティ近郊にある古代都市遺跡群で、1987年にUNESCOの世界遺産に登録されました。
テオティワカンは紀元前1世紀から紀元7世紀にかけて栄えた都市で、アステカ文明の前身となった古代文明の中心地の一つです。遺跡群には太陽のピラミッド、月のピラミッド、羽毛の蛇のピラミッドなどがあり、巨大なピラミッドや神殿、住居跡などが残されています。特に太陽のピラミッドは高さ65メートルあり、世界でも有数の大きさを誇っています。
テオティワカンはその壮大なスケールや緻密な都市計画などから、世界中の研究者や観光客に注目される遺跡の一つとなっています。また、毎年春分の日には古代の祭典「春分の祭り」が行われ多くの人々が訪れます。
これらの世界遺産は、メキシコシティの豊かな歴史や文化を示すものとして、多くの観光客にとって重要な観光スポットとなっています。