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【ブラジル】クリチバとは?
「クリチバ」とはブラジル南部にある都市で、パラナ州の州都です。人口は約180万人で、ブラジルでも最も人口の多い都市の一つです。
クリチバは環境に配慮した都市計画により知られており、公共交通機関の充実や緑地の確保などに取り組んでいます。例えば、バス専用レーンの整備や、バス停における前扉乗降制度などが導入され、交通渋滞の緩和に成功しています。また、市内には多くの公園や広場があり、市民にとって快適な環境を提供しています。
そのため、クリチバは「環境都市」として有名であり、世界中から環境問題に関心のある人々が訪れることもあります。
クリチバの都市計画
クリチバの都市計画は、1971年に当時の市長であるジャイメ・レルナー氏によって策定されました。この計画は、都市の持続可能性と公正性を実現することを目的としており、環境保護、交通、公共施設の改善など、多岐にわたる取り組みが盛り込まれています。
代表的な取り組みとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 公共交通機関の改善
バス専用レーンの整備、前扉乗降制度の導入、運賃の均一化などによりバスの利用を促進し、交通渋滞の緩和を図りました。また、バス停にはシェルターやベンチ、情報掲示板などが設置され、利用者の利便性が向上しました。 - 緑地の確保
市内には多くの公園や広場があり、市民にとって快適な環境を提供しています。また、市内には植樹活動が行われ、緑化率の向上が図られています。 - 再開発プログラム
旧市街地の再開発が進められ、歴史的建造物の修復や、低所得層向けの住宅の整備が行われました。 - 廃棄物管理の改善
リサイクル率の向上やゴミ処理場の建設などにより、廃棄物の処理についても取り組みが進められました。
これらの取り組みにより、クリチバは持続可能な都市の先駆けとして注目され、多くの都市がクリチバの取り組みを参考にしています。
クリチバのBRT【バス専用レーンの整備】
クリチバは、公共交通の分野でも有名で、BRT(Bus Rapid Transit)と呼ばれるバス専用レーンの整備により、都市交通の改善に取り組んでいます。
BRTは高速バス専用車線により、交通渋滞に巻き込まれることなく迅速に目的地に到達することができる公共交通システムです。クリチバのBRTは世界でも最も先進的なシステムの一つとして知られており、公共交通システムの模範的な例とされています。
クリチバのBRTは、車両が優先的に通行できるバス専用道路や専用レーンを整備し、BRT専用のバス車両を導入することで交通渋滞を緩和し、公共交通の利便性を高めています。
また、BRTでは事前にチケットを購入することで、バスの乗降口とプラットフォームが一致しているため、スムーズな乗降が可能です。そのため、バスが頻繁に運行しているにもかかわらず待ち時間が少なく、利用者にとって便利な交通システムとなっています。
クリチバに移住する日本人
クリチバには日本人移民が多数居住しています。日本人移民がクリチバに移住するきっかけとなったのは、1924年に日本とブラジルの間で締結された「日伯移民協定」です。この協定に基づき、多くの日本人がブラジルに移住し、その中にはクリチバに定住した人々もいました。
クリチバには日本人街として知られる「イグアス通り」があり、多くの日系企業や日本食レストラン、日本人経営のスーパーマーケットが軒を連ねています。また、日本人移民の文化や伝統を伝える施設として、日本庭園や日本人移民博物館があります。
日本人移民はクリチバの発展にも貢献しており、地元経済においても重要な存在です。クリチバ市内には日本企業の進出も進んでおり、日本とクリチバの交流は今も続いています。
クリチバに拠点を構える日本企業
クリチバには多くの日本企業が進出しています。日本企業が進出するようになった背景には、ブラジルの政治的・経済的安定化や日本とブラジルの経済関係の強化などが挙げられます。また、クリチバは南米有数の工業都市であり、地理的な立地条件も進出の決め手の一つとなっています。
代表的な日本企業としては、以下のようなものが挙げられます。
- ホンダ
クリチバ市内にはホンダの自動車工場があります。この工場は南米地域におけるホンダの生産拠点の一つであり、多くの人々に雇用を提供しています。 - トヨタ
トヨタもクリチバ市内に自動車工場を持っています。トヨタの工場は環境に配慮した生産を行っており、クリチバ市内の自動車工場の中でも注目されています。 - パナソニック
パナソニックは、クリチバ市内に太陽光パネルの製造工場を持っています。この工場は、ブラジルにおける再生可能エネルギーの普及に貢献しています。 - 日本製紙クリチバ
日本製紙クリチバは、パルプ・紙の製造メーカーとしてクリチバ市内に工場を持っています。
これらの企業はクリチバの雇用を創出し、地元経済の発展に貢献しています。また、日本企業の進出によって、クリチバと日本の経済的な関係も深まっています。
クリチバの観光地
クリチバには自然や文化、歴史を楽しめる観光スポットが多数あります。
まずは、日本庭園をはじめとする公園が魅力的です。クリチバは「緑の都市」とも呼ばれ、都市の中心部から離れた場所には多くの公園や広場があります。特に、トインテン公園はブラジル最大の都市公園であり、美しい自然と散策路があります。
次に、クリチバ大聖堂やルソン・リオグランデ博物館、美術館などの文化施設もおすすめです。また、クリチバはカーニバルの開催地の一つであり、毎年2月には多くの人々が訪れます。
さらに、クリチバ周辺には、美しい自然と風光明媚な景色が広がる観光スポットが多数あります。例えば、クリチバから車で2時間ほどの距離にあるモロ・ダ・テレグラフィア展望台や、クリチバから車で3時間ほどの距離にあるイグアスの滝は、多くの観光客に人気のスポットです。
クリチバは自然や文化、歴史を楽しめる観光スポットが多数あり、多くの人々に愛されるブラジルの都市の一つとなっています。
クリチバのホテル
クリチバには、様々なカテゴリーのホテルがあります。以下に、クリチバの中心部に位置するおすすめのホテルをいくつか紹介します。
- ラディソンホテルキュリチバ
ビジネスや観光に最適なホテルで、市内中心部に位置しています。客室は広く、アメニティも充実しており、スタッフの対応も良いと評判です。 - デヴィルズ キュリチバ ビジネス
ビジネスに最適なホテルで、クリチバ中心部に位置しています。客室は清潔で広く、モダンな内装が魅力的です。また、ビジネスセンターや会議室なども完備しています。 - ノヴォテルキュリチババテリー
クリチバ中心部に位置するホテルで、観光にもビジネスにも最適です。客室はモダンで快適な空間となっており、レストランやバー、フィットネスセンターなどの設備も充実しています。 - ラザロッテホテルキュリチバ
リゾート感覚のあるホテルで、広大な敷地内にプールやスパなどがあります。客室は広く、高級感のある内装が魅力的です。 - スリ レジデンス ホテル
フラットタイプのホテルで、クリチバ中心部に位置しています。客室は広く、キッチンやリビングルームも備えており、長期滞在に最適です。
これらのホテルはクリチバ中心部に位置し、アクセスが良く、設備も充実しているため、観光やビジネスでの滞在に大変おすすめです。
クリチバの空港
クリチバには、アフオンソ・ペナ国際空港(Afonso Pena International Airport)があります。クリチバ市内からは車で約20分ほどでアクセスできます。
アフオンソ・ペナ国際空港はブラジル国内の主要都市や南米各国、そしてアメリカの一部都市などへの国際線も就航しており、国際的なゲートウェイの一つとなっています。
空港にはタクシーやレンタカー、シャトルバスなどの交通手段があります。また、市内中心部や主要なホテルに向けたシャトルバスも運行されています。
空港内にはカフェやレストラン、ショップ、ATMなどの施設が充実しており、滞在中に必要なものを購入することができます。
空港のセキュリティーは厳重に管理されています。国際線に乗る場合は、出国手続きや手荷物検査に時間を十分に見ておくようにしましょう。
クリチバの治安
クリチバはブラジルの南部に位置する都市で、一般的にはブラジルの他の都市と比べると治安が良いとされていますが、それでも注意が必要な地域や犯罪が発生する可能性がある場所もあります。
特に、夜間や人通りの少ない場所では一般的な犯罪が起こる可能性が高くなります。また、バッグや財布などの盗難や置き引き、強盗や車上荒らしなどの犯罪も発生しています。
治安を向上するため、クリチバ市はさまざまな取り組みを行っています。例えば、市内には警察官が巡回するセキュリティカメラが設置され、防犯パトロールも行われています。また、市内には交通渋滞緩和や環境保護を促進するための公共交通機関が整備され、それにより安全で環境に配慮した街づくりが進められています。
クリチバを訪れる場合は、
- 街を歩く際に貴重品や現金は少なめにする
- 夜間は人通りの多い場所を選ぶ
- タクシーを利用する
などの注意が必要です。また、旅行前には現地の治安情報を調べて、安全対策をしっかりと講じるようにしましょう。